「インプラント治療」って最近では名は知られて来てますよね。
有名人だと、バナナマンの日村さんがほとんど歯がない状態だったところにインプラントを入れて「綺麗な歯が並んだ」とテレビでも言っていて話題になりました。
歯科関係者からすればあの若さでひどい口腔状態だったのかと心配しますが。。
今回はインプラントとはどんなものなのかお話していきます。
目次
インプラント治療
インプラント治療とは?
implant 英語だと「植える」と言う意味です。
簡潔に言うと、インプラント治療は歯がなくなってしまったところに歯を植える治療なんです。
そのまんまですが。
以前、歯の構造については説明しました。
インプラントは歯が植わっていた顎の骨(歯槽骨)に人工歯を埋め込んで歯を作る治療です。
具体的には顎の骨に金属のボルトを埋め込んで、そのボルトを土台として人工の歯を乗せる感じです。
金属のボルトが骨に埋め込まれると聞くと怖いですが、骨折の手術でも骨をボルトで固定したりしますよね?
そんな感じで、身体に親和性のあるチタンなどの金属を使用したボルトです。
ただし、処置としては立派な手術ですから一般的な歯科の処置とは違います。
インプラント治療の流れ
インプラントは普通の処置に比べ期間のかかる処置ですから、計画的に行う必要があります。
ざっくり説明すると下の手順ですが、個人差が大きいので半年から1年かかる人もいます。
0、下準備(レントゲン、CTを撮り顎の骨の状態をチェック)
1、ボルトを顎の骨に埋め込む手術をする(本数によるが2〜3時間程度)
1、顎の骨を覆っている歯茎を切開する
2、顎の骨にドリルでボルトが埋められるよう穴を開ける
3、インプラントのボルトをネジのように回転させながら埋め込む
4、切開した歯茎を縫い合わせる
2、ボルトが顎の骨に固定されるまで骨と歯肉の回復を待つ(回復具合によるが3〜6ヶ月程度)
3、ボルトにつける人工の歯の型取り(30分〜1時間)
4、ボルトに人工の歯をつける。噛み合わせなど調整して完了(30分〜1時間)
5、定期検診で経過観察
こんな感じですが、歯科医院や回復状態によってはボルトを埋めてすぐに人工歯を入れる場合もあります。
そうすると期間は短くなりますが、
ボルトがしっかり顎の骨に固定されてないまま、人工歯を入れて噛んでしまうと、噛んだ力でボルトがうまく固定されずボルトが抜けてしまうことがあるの慎重な判断が必要です。
インプラントってどんな人がやるの?
誰もができるわけではないですし、誰もがやる必要がある治療でもありません。
・歯が抜けてしまった人
・歯を抜いた人
・ブリッジ(失くなった歯の両脇の歯を橋渡しにして作る被せ物)や入れ歯は入れたくない
・入れ歯グラグラする(インプラントのボルトと入れ歯をはめ合わせることでしっかりと固定された入れ歯にすることもできます)
が適応ですが、ボルトを埋め込むだけの顎の骨がなければできません。
ですから逆にできない人は
・重度歯周病で顎の骨が薄い人
です。
歯周病の人が無理にインプラントを入れてもインプラントも抜けてしまうことになりかねませんので、まずは歯周病の治療が先決です。
また糖尿病や高血圧で服用している薬がある人など全身状態にも注意が必要です。
インプラント治療は保険適用外!自費です
歯を抜いた人には魅力的な治療ですが現在では保険適用外です。
1本あたり〜十万はするところが多いですかね。この値段も歯科医院によって違うので確認が必要です。
保険内の治療では
・ブリッジ(失くなった歯の両脇の歯を橋渡しにして作る被せ物)を入れる
・入れ歯にする
・何もしない(隣に歯がある場合、放置すると歯が倒れてくる、歯並びが悪くなる可能性があります。
このような選択肢がインプラント治療に代わってあります。
インプラントのメリット、デメリット
メリット
・顎の骨に直接埋め込むので自分の歯のように噛める
・見た目は自分の歯が戻ったように自然
・隣の歯に影響がない(ブリッジなどの保険治療は隣の歯を削る必要があります。)
デメリット
・自費治療なのでお金がかかる
・治療期間が長い
・手術がある
・治療後もメンテナンスが必要(歯茎とボルトの境目は歯科医院での清掃をお勧めします
まとめ
いかがでしたか?少しはインプラントについてわかっていただけたでしょうか?
歯がなくなってしまって落胆している人でも、インプラントでまるで自分の歯が戻った!と感激する人いらっしゃいます。
また総入れ歯の方にもインプラントのボルトを入れることで、しっかり噛める入れ歯にすることもできるのです。
まだ保険適用ではありませんが、いずれ保険適用になってくるのではないかと願っています。
ただ、インプラントを入れたからと言いて安心してメンテナンスに来ないと、インプラントが抜け落ちてしまうこともあるので検診は大切です。
まずは、インプラントをしなくてもいいように、自分の歯を大切にすることが何よりも大切ですけどね。