もうすぐ今年も終わりますね〜
でも年末は何かと忙しいですよね?仕事も詰まっているし、忘年会も入っている。。
この年末感が良かったりもしますが、ラストスパート全力で駆け抜ける前に体調を崩してしまう方も多いですよね。
私が歯医者で働いていた時も年末は特に患者さんが多かったですね〜
治療をなるべく年内に終わりたいという方も多かったのですが、急患がとても多かった〜 痛くて駆け込んでくるんですよ。。奥歯が痛い、親知らずが痛む。仕事にならないから、今すぐどうにかして〜って感じです。
親知らず。 どうして痛むのでしょうか?生えてないから痛くなるはずないって思う方もいらっしゃるかもしれませんね。予防はあるのか?そんな親知らずについて知ってもらいたいと思います。
目次
知られていない親知らずのあれこれ
これを読めば少しは親知らずのことを知ってもらえると思います。予防もできますので、忙しい年末に歯医者に行かないように対策をしましょう。年末年始は美味しいものを食べる機会も多いですから、歯を健康に保って美味しく楽しいお食事にしてくださいね。
親知らずはなぜ痛むのか
親知らずが痛むのにはいくつか理由があります。その原因の中でも、年末の忙しい時期にかけて多いのが下の親知らずの 歯周炎 です。専門用語ではperico(智歯歯周炎)と言います。そのまま ペリコ と読んでいます。可愛い響きですよねww
perico(智歯歯周炎)は親知らずの周りの歯茎が炎症を起こしている状態のことを言います。親知らずが痛いと親知らずの歯自体が悪いのだと感じますが、痛みを引き起こしているのは、周りの歯茎なんですね。でも原因は親知らずの生え方にあります。
perico(智歯歯周炎)にかかっている多くの人の親知らずは、親知らずが歯茎の下で倒れているか、少し頭を出して歯茎から見えている状態です。
このような状態だと、歯茎の中に汚れが入りやすく、入った汚れが取り除きにくくなってしまいます。普段はこの状態でも人には免疫があるので炎症は起きないのです。
しかし、忙しくて十分に休めていないと免疫が落ちます。免疫が落ちると風邪も弾きやすいですよね?それと同じことが口の中でも起きていて、汚れの貯まった歯茎の中で菌が繁殖し、炎症を起こすのです。
風邪をひくとさらに免疫が落ちるので、風邪を引いたら親知らずも痛み出した と受診する患者さんもいます。
年末や忙しい時期ではないのに痛む方は、親知らずが虫歯になっていることが原因で痛んでいる可能性が高いです。いずれにしろ受診が必要です。
年末に痛くなる親知らずはperico(智歯歯周炎)が原因ということはわかりました。では具体的にどんな症状が出るのでしょうか?
perico(智歯歯周炎)主な症状
歯周炎といっても、どんな症状が出るのかピンと来ませんね。具体的な症状を説明しますので、痛い方は自分の症状と照らし合わせてみてください。
1、歯茎が腫れている
2、歯茎がいつもより赤い
3、拍動的な痛み(どくどくした痛み、代謝が良くなると痛みが強くなるなど)
4、歯茎から出血したり、膿が出ている
5、虫歯や知覚過敏のしみる感じとは違う痛み
ざっとこんな感じです。歯周炎は歯茎の病気なので虫歯や知覚過敏で起こる痛みとは少し違います。ただ、痛いことには変わりないのでわかりづらいかもしれないですね。それでも、出血や膿が出ることはperico(智歯歯周炎)の特徴的な症状です。
ではどんな処置、治療をするのでしょうか?
perico(智歯歯周炎)の治療法1
perico(智歯歯周炎)の治療目的は歯茎の炎症を止めることなので、原因となる汚れ、細菌の除去です。
具体的には、炎症が起きている歯茎と親知らずの周りを清掃します。細い器具や洗浄機を使って洗い流します。殺菌作用のある薬剤で洗い流すこともあります。膿や血も出るので、重症な方はとても痛いです。ですから麻酔をする場合もあります。
そして、免疫が落ちている状態を補うために抗生剤の投与や、痛みを抑えるため鎮痛剤が出たりします。基本的にはシンプルな治療ですが、免疫を取り戻すために、しっかり休むことも大切です。
この治療ですぐ治る方も大勢います。しかし、繰り返したり、あまり良くならないかたは、別の治療が必要です。
perico(智歯歯周炎)の治療法2
1の治療で効果がなかったり、繰り返す場合は親知らずの位置が悪く、汚れが取り除けないくらいまで入り込んでしまっています。こうなると、抜歯しかありません。
なるべく歯は抜きたくない方がほとんどだと思います。それは歯科医も同じですが、親知らずの抜歯は推奨されることが多いです。
なぜなら残しておくデメリットの方が多い場合があるからです。
残しておくデメリットとしては
1、perico(智歯歯周炎)を繰り返し、だんだん酷くなる(歯周病に進行する)
2、手前の奥歯が虫歯になったり、悪影響を及ぼす
ということです。
治療に行くと、レントゲンを撮られることがほとんどだと思いますが、親知らずの位置によっては抜歯を勧められかもしれません。
抜歯は抵抗があると思いますが、抜いてしまえば痛くなることはありません。完全に原因除去できるわけです。 ただ、親知らずが真横に倒れていたり、顎の骨に癒着していたりすると難しい抜歯になりさらに痛い思いをする可能性もあるので、歯医者さんと良く相談して納得できる治療法を選んでくださいね。
治療する前に予防ができればそれに越したことはありませんが。。
親知らずが痛くならないために予防できること
予防は歯茎と親知らずの間、つまり汚れが貯まる部分を清潔に保つこと。
シンプルにそれだけです。がっかりしたらすみませんw
ただ、汚れが溜まる部分だから痛くなるわけで、自分で掃除するのは難しい場合が多いです。糸ようじをマメに通したり、細かいところを磨くブラシ(ワンタフトブラシ)や歯間ブラシを駆使して磨いたりなどができます。
ワンタフトブラシ
それは面倒だし、綺麗になっているか不安な方は定期的に歯医者さんでクリーニングされることがオススメです。結局、歯医者さんに行くのかぁ と思うかもしれませんが、痛くなって痛い治療をしに行くよりはマシですよね。
それも面倒だ!!という方はやはり抜歯がオススメです。
抜歯も炎症が起きていない時にした方がスムーズで痛みや出血も少ないです。
ただ先ほども書いたように、難しい抜歯になることもあるのでそこは、歯医者さんにしっかり診てもらい相談して診てください。下の歯は神経も近いですからね。
追記とまとめ
追記ですがperico(智歯歯周炎)は親知らずの特徴的な生え方で起きますが主に下の親知らずしかなりません。それは、重力と顎の骨の関係で下の親知らずは横に倒れたり、うまく生えないことが多いからです。上の親知らずが生えるか、歯茎の中に埋まっているだけが多く、虫歯にならない限りはあまり悪くなりません。
ですから、上の親知らずが痛い場合は虫歯を疑ってくださいね。
いかがでしたか?少しは親知らずのことわかっていただけたでしょうか?
現代人は顎が小さい方が多く、うまく生えなかったり、もともと親知らずがない人もいます。人の進化とともに、親知らずも退化して行くのかもしれません。
ですが、他の歯が抜けてしまった部分に移植できることもあり全く邪魔者になったわけでもありません。自分親知らずがどうなのか気になった方も多いと思います。治療や検診の時にレントゲンを見せてもらったり、歯医者さんに自分の親知らずの状態を聞いてみるのもいいかもしれないですね。